★旅の断片 ~中央アジア・キルギスの大自然1~
中央アジアのキルギス。
この国が、こんなにも雄大な自然の広がる土地だなんて、訪れてみるまでちっとも知らなかった。
北海道に似ているな、と思った。
旅の途中、北海道出身の日本人旅行者にも何人か会ったけれど、その彼らでさえ「ここは北海道ですね」なんて言うくらいだから、本当にキルギスは北海道だ。
キルギス南部のオシュと北部の首都ビシュケクを結ぶオシュ~ビシュケク街道はまさにそんな雄大な自然を満喫できる。
道路は綺麗に舗装され、長い長い一本道が続く。時に野を越え山を越え、湖岸沿いの道や大草原の広がる道と変化に富んだこのルート。2500~3000メートル級の峠もあり、山を越えるとガラっと様子が変わる。
地理的に変わるどころか文化的にも違いのあるオシュ~ビシュケク間のそれぞれの土地だから、まったく飽きることがない。
僕が訪れた6~8月は、視界に広がるすべてのものが色鮮やかで、草花も瑞々しい輝きを放っていた。
大地一面に広がる向日葵畑なんかが現れると、思わず自転車を放り投げてその中へ飛び込んでしまいたくなる。
バス(マルシュルートカ)だと約12時間(車種とドライバーにもよるらしい)、寒さの厳しい冬場はもっとかかるこのルート、夏場の自転車だと2週間くらいか。
ビザ期限の関係で半分程度しか自転車で走れなかったけれど、ぜひまた走ってみたいなと思う、(今のところ)
この旅ベスト5に入るルート。
チベットの大地も凄いけれど、中央アジア・キルギスの大地もそれに引けをとらないスケール。
チベットの人々がバター茶やツァンパで温かく迎えてくれるなら、キルギスの人々はウォッカやクバスで陽気に迎えてくれるだろう。