★旅の断片 中央アジア・キルギス ~ビシュケクの並木道~
キルギスの首都ビシュケク。
一国の首都にしては規模も小さく、景観もどことなく地味な印象だ。
旧ソ連時代に計画的に造られたという碁盤目上の通り、交通量は多いがさほどの喧騒は感じない。
あまり首都らしくないこの街の景観は、しかし逆にキルギスらしさ、ビシュケクらしさをひき立たせる。
街歩きしながら万年雪を被ったアラ・トー山脈が望めるのは、都会にありがちな高層ビル群がないおかげ。
縁日とでもいった方がいいくらいの遊園地、小さな観覧車が上昇するにつれて徐々に姿を現すダイナミックな山々の景観、という構図も予想外になかなかオツなものだった。
高い位置から見ると、あらためてビシュケクは緑の多い街だということに気づく。
街の随所にある並木道。
自転車でどこかへ出かけても、僕はこの緑溢れる並木道を行きか帰りのどちらか、必ず通ることにしていた。
時々、並木道周辺のカフェで学生にまじってランチをとってみたりするのも楽しい。
僕にとってこの並木道は、毎日通ってもいいなと思えるビシュケクお気に入りの場所のひとつだった。