手のひらの中のアジア -95ページ目

中国広東省広州・清平市場~食は広州にあり?~

中国の春節を広東省の広州で迎えた時のお話。



ある日、珠江の中洲に位置する「沙面」という地域を訪れた。


広州駅から自転車で20~25分、タクシーだと15分くらいの場所にある沙面は、慌しく喧騒に包まれた広州駅前とは別世界、西洋風の町並みやお洒落なカフェ、バーなども見られ、珠江の川沿いには緑の街路樹が並び、ゆっくりするには恰好のスポットだった。


川沿いから、一歩街なかへ入り込んだところに「清平市場(チンピンマーケット)」という自由市場がある。その土地の人々の生の生活を垣間見ることができるこうした市場を散策するのはとても楽しい。ましてや「食は広州にあり」とまで言われる広州だ。果たして何が見れるのか、好奇心は膨らむばかり。


碁盤の目のように区画されている通りを、大通りから小さな通りへ入ると、ずらりと商店街が並ぶ。さらに奥へ進むと、市場らしい雰囲気の店々が見えてくる。魚介類や干物といったものが売られている店舗から、かわいらしいウサギや猫、犬、小鳥たちを売る店までが雑多に並ぶ。


ペットショップかと思いきや、これらもれっきとした食材用の品である。生々しい。歩くにつれて、次第に店頭には亀やらヘビやらおかしな生き物になってくる。さらに奥へ進むと、今度はゴキブリのような光沢を持つ虫の大群やサソリのバラ売りなど・・・・・・。


売っている店舗の人物まで妖しくなってくる。サソリ売りの店主は、箸でサソリを摘まんで周囲の人々に差し出してくる。


「いらない、いらない!!」


手を払いながら必死の形相で断る見物客を見ながら、店主はにんまりとした表情を見せる。周囲の視線が自分のところに集まったのを確認するようにして、今度は箸で摘まんだをサソリをそのまま口の中へ・・・・・・。


―えぇっ!?サソリって生で食えるのか!?


僕を含めた誰もが仰天しながら、その様子の行く末を窺っていた。次の瞬間―。


「イデッ!!」


苦痛に顔を歪めた店主に一同、のけぞるようにして思わず大笑い。店主の体を張った芸当は果たして成功だったのかどうか。まぁ、毒はないようなのでよかったけれど。


それにしても市場へやってきている家族もよく見ると怪しげなものだ。


犬や猫を抱きながら「よしよし」といった感じで一見可愛がっているように見えるのだが、実際はどんなものか。きっと夜になれば一変するのだ。


無表情で斬首刑のごとく、包丁でストンッ・・・・・・。


母はニヤリ、まだかまだかと待つ子供。サソリつまみに父、晩酌。


「机と人間以外は何でも食べる」という中国人の噂は、ここでは妙に現実味を感じさせる。恐るべし広州家族。


時期によっては狸や鹿なども並ぶというこの市場は、小さな子供たちにとってはヘタな動物園に連れて行くよりもいいかもしれない。


「食は広州にあり」


いや、もとい。


「ショックは広州にあり」


とでもいった方が在る意味的確だったかもしれない。


清平市場はまさに「珍品市場」だった。

勝手に中国・広州宿情報

中国広東省広州で拠点にしたのは広州駅前に隣接するようにして建つ「広東国旅酒店(広州国際青年旅館)」。正式なユースホステル。

何やら中国には青年旅館的なユースを名乗る宿が結構あるのだが、会員証が使えるのはもちろん正式なところだけ。

広州駅を背にして左にある建物。まぁ正面から見たら駅の東側、右か。シングルで一泊60元。2004年までは50元だったらしいが、2005年からは値上がりしたようで、130、140円増くらいか。非会員は118元からと記載があった。ドミトリーは聞かなかったが、パンフレットを見る限りでは二段ベッド二つの4人部屋のようだが。僕は何せ自転車と大きな荷物が複数あるので今のところ基本的にはシングルにしている。

テレビ、エアコン付き、シャワー(ホット)・トイレは共同。部屋はオートロックで、しかも自分では開けられない。朝から晩まで各階に常駐スタッフがいて、入りたい時は頼んで開けてもらう。面倒くさいと言えば面倒くさいが、セキュリティが厳重といえば厳重だ。

面倒臭さにかまけて、ちょっと隙間を開けて鍵がかからないようにしてトイレ行った時でさえ、

「あんたトイレの間に誰かに入られたら困るでしょ!!」

といった感じで怒られる。

このスタッフがシャワーやトイレをいつもよく掃除をしているのでこの辺は清潔だ。シャンプーやボディソープもある。トイレットぺーパーは部屋にある。今時、部屋が汚かったり、紙がない、設備が整っていないなどすると、客足の減りが顕著に現れるようで、周辺の宿も皆、セキュリティや衛生面には力を入れているようだ。改築するところも多い。

一階ロビーには喫茶店と売店がある。売店は安くはないが、おばさんはなかなか愛敬があって面白い。広州駅前の通りはHUANSHI ROAD。駅前のこの通り沿い数100メートルにはいろんな店が並んでいてショッピングにも便利。旅行会社も宿の隣にある。まぁ駅でも、旅社でも様々なチケットを手配できる。インターネットカフェは歩いて15分くらいのところにある。ここでは説明しづらいが宿のフロントで聞けば、地図を参照しながら教えてくれる。一時間3元。日本語対応は基本的にしていないが、なんとかやりくりして、一台、日本語IMEをインストールして使えるようにした。入り口を入って右側の7台目。おそらく今後利用する人がいればお試しを。設定が残されていれば。保証はありません。

広州の宿、周辺は100元前後が多い。下は50元くらいからか。。とにかく宿自体には困らないところ。広州東駅前までいくと、さらに30~40元程度の宿があると聞いた。それでも拠点を考えると、越秀公園も10分程度あであるし、やはり広州駅前が便利かと。女性にもオススメかと。

あくまで私見なり。

「広東国旅酒店(広州国際青年旅館)」
179,HUANSHI ROAD,West,Guangzhou
TEL;0086-20-86666889
E-Mail;gdtourist@fm365.com

勝手に中国・珠海宿情報

中国広東省珠海での宿泊は「珠海国際学生旅館」。いわゆるユースだ。
50元~あるようだが、この時期は60元。それでも7~800円程度だ。

どんなにオンボロかと思いきや、高級リゾートの中にある一施設で雰囲気はかなりゴージャスだ。
この部屋はドミトリーでニ段ベッド4つの8人部屋だったが、他に宿泊客はいないようで、一人で占領状態だった。
テレビ、エアコン、ホットシャワーにバスタブまであり、60元としては破格の値段だ。
日本の学生寮やセミナーハウスなどは論外、日本のユースより全然良い気がする。

珠海の中心、拱北からは自転車で15~20分かかるので歩くと3、40分かかるだろうか。まぁバスも出ているようなので不便ではない。

いくつもあるリゾート内の宿泊施設の部屋は皆コテージ風になっていてなかなかお洒落だ。
リゾート内はかなり広く、入口から宿にいくには園内循環バスを使う。
宿から出るときも電話でバスを呼ぶ。
僕は自転車だから自由で楽だったが、徒歩の旅人には少々面倒臭いか。

それでもセキュリティーは厳重、スタッフ対応もいい、静かな環境はその面倒臭さを気にさせない。

リゾートの外には食事できる場所もある。
だが買い物も含め拱北ほど充実はしていない。
拱北に宿があれば一番いいのだが、たくさんあるものの如何せん高い。

招待所と呼ばれる安宿も中国語さえ日常会話レベルで話せれば交渉次第で日本人でも泊まれるようだ。
宿自体はいくらでも溢れている。

3~4件あたったが多少、カビくさい部屋もあったものの40元くらいからなので、言葉さえ話せればまぁこちらでもよかった。
が、話せないから断られた…。

街の人はほぼ100パーセント英語もわからない、中にはイングリッシュという言葉さえ知らない人もたくさんいたほどだ…。
中国語を話せるようになりたい…と強く思うばかりである。

いずれにせよ、珠海ユースはすばらしいので、十分オススメだ。

中国広東省珠海市吉大石花東路
TEL:07563333838
E-MAIL:rsv@zhuhai-holiteI.com
http://www.Zhuhai-holitel.com

マカオ勝手に宿情報

一泊目の妖しい宿はいいとして、その後僕が拠点として利用したのは、「新華大旅店」。

セナド広場からも歩いて5~6分のところに位置する福隆新街という地区にある旅店。

シングル、ファン付、トイレ・シャワー共同の部屋で一泊70元。
他にもエアコン付、バスルーム付の部屋もあるようだ。
料金も下は50元くらいからあった。

福隆新街はセナド広場沿いを通る新馬路から一本奥へ入ったところにある街で、レストラン、餅屋がたくさんあり、賑やかで活気のあるところだ。セナド広場自体も近いし、両替所、銀行もある。

宿もたくさんある。セナド広場ある政府観光案内所には、ホテルリストがあり、それを手にすれば安宿から高級ホテルまでずらりと記載してあるので、地図と照らし合わせながら探せば困ることはないと思う。

新馬路沿いの広場近くにある両替所はレートもそこそこ、TC(トラベラーズチェック)も扱っていた。

インターネットは「UNESCO」という大きな図書館で、一時間5HKDで利用できた。日本語可。

フェリー乗場からリスボアへ向う大通りのちょうど中間くらいにあるので、詳しい場所は付近の人に聞いてもわかるし、フェリー乗場で地図とともに場所を教えてもらってもわかる。


「新華大旅店」

福隆新街67
Rua da Felicidade 67,Macau

TEL:(853)573701
E-MAIL:info@sanvahotel.com
http://www.sanvahotel.com


お詫びとお知らせ

このたび、『手のひらの中のアジア』書籍化に伴い、本の内容と重複するブログの関連記事を、誠に勝手ながら削除させていただきました。これまで気軽に読んでいただいていた読者の皆様や、これから読もうとしていただいていた皆様には大変申し訳ございませんが、この本を一人でも多くの方々に読んでいただきたいとの思いもあって、そのようにさせていただきました。皆様のご理解をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。